温度計
▼詳細
最近 地中熱という言葉がメジャーになり 簡単に施工できると勘違いしていい加減な施工をしてしまう事例がまれにあります。
この事例は オーナー様の限りなく消費電力を抑えたいというご意向のもとに地中熱利用空調システムを採用されたのですが 設計・施工ともに経験のない業者が請け負い 夏が来る前にエアコンがダウンしてしまったそうです。
ご依頼を受け 現地に行ったところ 熱源水温度が37℃(写真1)でした。
これでは冷房ができるはずがありません。
そこで 熱源である地中熱交換井を拝見したところ 孔の中に地中熱交換器は入っているだけで 充填材がなく そのうえ孔の外周には塩化ビニルパイプが建て込まれていました。(写真2)
塩化ビニルパイプは 熱伝導が悪いというより断熱してしまい 冷房時の温水が冷却されることがないため 熱交換はおろか保温状態になっていました。
何より 地中熱交換器の周りが 最も熱伝導の悪い空気であることが致命傷でした。
駐車場にあるハンドホールの蓋を開けると湯気が出るほどでした。
そこで 効果は少ないとは考えたものの 地中熱交換器とパイプの間に硅砂を充填することにしました。(写真3・4)
多少の熱源水温度低下はあったものの 根本的に熱源が足りないため 追加の地中熱交換井を設置することを提案し 改修工事をすることになりました。